by 小峰昇 by 長岡洋幸 by 後藤修身



舞台の奥に控えたガムラン・オーケストラの、ゆったりとした演奏が始まる。ついで、日本の長唄に似た旋律の女声コーラスが、あたたかい靄(もや)のようにたゆたいながらそれにかぶさると、観客達はもう物語りの世界。 3人はまぎれもなくチベットから来た人たちだった。その強烈な印象は、いまでも強く脳裏に焼きついている。以来、私はあの鋭い光がどこから来るのかを捜し求めて、12年間にわたってチベットを歩きつづけた。 巨大な仏塔が四方からライトで照らされ、まばゆく輝いていた。圧倒的な存在感だ。それを取り囲むように、無数のろうそくの光が揺れている。パゴダを巡る回廊には家族連れ、恋人同士、老人、子供、僧侶、多くの人たちが集っていた。




by 小峰昇

夏のモンゴル草原に吹く風は馬乳酒の香りがする、というひとがいた。またあるひとは、人間のいとなみのなかでもっとも「詩」にちかいもの、それが遊牧だといった。

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